立命館大学 石水毅研究室

石水研通信

仁愛女子高等学校模擬講義

 9月12日、福井県の仁愛女子高等学校の2年生を迎えて、模擬講義を行いました。仁愛女子高等学校は、グローバルサイエンスコースを設けて、理系教育・英語教育にも力を入れている高校です。穏やかな雰囲気で、真面目に講義を聴いていて、反応もあり、質問もするし、とても講義をしやすかったです。レポート後にみんなが消しゴムのカスを拾い集めてゴミ箱に捨てに行っていて、ちゃんと教育を受けているように思いました。好印象でした。

 「衣食住に使われる植物細胞壁の最先端研究」と題した講義・実験をしました。細胞壁成分のペクチンがゼリーに使われることを実感できる実験も行いました。各学部の特徴、普段している勉強が理系学部に進学するのにとても大事なこと、などをお話ししました。立命館大学の施設・設備が恵まれていること、研究レベルが高いこと、大学でがんばった卒業生が製薬や食品、各種業界で活躍しているということも。講義後のアンケートを読ませてもらうと、講義が響いた生徒さんがいて、講義を行った甲斐がありました。いつも思いますが、高校生の「吸収力の高さ」「キラキラした感じ」は、ほんと素敵です。ぜひぜひ受験してほしく思いました。お世話いただいた入試課の方々、仁愛の先生方、ありがとうございました!

20190914161243.jpgピペットマンを使った操作がサマになっています

研究室報告会2019夏

 石水研では半期に1度、皆で集まって丸2日間かけて研究報告会を行っています。今回は昨日、一昨日に。今回は、大きめの発見が1つ、小さめの発見がちらほら、あと一息で発見したと言える感じになるのが多くありました。発見は、ある一つの実験がうまくいってできるものではなく、徐々に見えてくるものです。実験量を積み重ねて初めてぼんやりと「発見かも」と思うところが始まり、さらに積み重ねて確信に変わっていく、そのような過程を経ないとたどり着けないところ、ってのを改めて感じました。発見の瞬間に飛び上がって喜ぶ、みたいなのは少ないです。じわじわ小躍りする感じがいくつかあって、発見にやっと至るという感じ。そんなたくさんの実験を積み重ねて発見というものに至ったものがありました。その発見を論文にするのは、また別のたいへんさがあり、さらに実験を積み重ねないといけません。ラボメンバーの学生たちみんなが真面目にがんばってることがわかり、今回は質問もよく出て、良い感じの報告会でした。実験を積み重ねて、良い報告ができる経験を卒業までにしてほしく思います。そして、今回は摂南大学の大橋先生にも参加いただき、たくさんのクリティカルなコメントをいただきました。ほんと、ありがたかったです。

 夜の懇親会で、みんなとゆっくり話したら、ラボメンバー同士がめっちゃ仲良くなってることがわかり(そこまで仲が良いとは知らなかった...)。もうそういうのが何よりうれしいのですよ、研究室の担当教員は。懇親会後の結構な時間から元気な女子たちは近くの空き地で花火。そして今晩のびわこ花火に揃っていく人たちもいて。アオハルかー。

 研究室は夏休み期間に入ります。夏休み明けからまた実験を積み重ねますよ。石水より。

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【研究成果】ペクチンRG-Iガラクトース転移酵素の活性検出

Matsumoto, N., Takenaka, Y., Wachananawat, B., Kajiura, H., Imai, T., and Ishimizu, T. Rhamnogalacturonan I galactosyltransferase: Detection of enzyme activity and its hyperactivation. Plant Physiol. Biochem. 142, 173-178 (2019)

 植物細胞壁のペクチンにラムノガラクツロナンI(RG-I)という成分があります。この成分は、近年は漢方薬の有効成分として同定され、ヒトの免疫システムを活性化することが見出されています。そして、植物細胞の力学的性質を制御する因子ではないか、として注目され始めている成分です。このRG-Iの生合成には主に6種類の糖転移酵素が必要ですが、昨年のRG-Iラムノース転移酵素の遺伝子発見など、解析が進んできています。今回、RG-I生合成に関わるガラクトース転移酵素の活性を検出し、その特性を明らかにしました。

 この研究は2013年4月から石水研で始まった研究で、2017年修士修了のまつなおくんが主に貢献しました。竹中さん、Mintが仕上げのデータを出しました。京大の今井先生には質量分析でお世話になりました。まつなおくんは、勝手にいろいろと試すことが好きで、その中で、このRG-Iガラクトース転移酵素を超活性化する添加剤を見つけました。これが契機となり、この酵素の解析が進みました。このまつなおくんの機転が成果につながりました。

 これまでに活性が検出されたことがない、初めて見出された酵素なので、酵素番号(EC番号)を申請しています。3つ目の石水研で発見した酵素になります。この酵素の活性が検出できたので、この酵素をコードする遺伝子を探索中です。

 石水研に在籍の大学院生には、このような感じで、世界に発信できる研究成果を修士課程の間に出すことを目標にしてやって欲しく思います。

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XV Cell Wall MeetingとGorshkova研究室訪問

7月7から12日に開催された植物細胞壁に関する国際学会Cell Wall Meetingと、共同研究先であるGorshkova研究室にディスカッションしにお邪魔しました。

Cell Wall Meetingは世界中の細胞壁研究者が集う学会です。これだけ細胞壁にフォーカスしている学会は他に無いのではないでしょうか。

開催地はとんでもなく歴史のあるケンブリッジ大学です。写真の様な、城みたいな建物がたくさんありました。

やはり海外は規模が違いますね。

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細胞壁の研究内容も、セルロースからnon-cellulosicなポリマーに移り変わっている印象を受けました。

観察している表現型も多岐に及んでいて、これまでと違った視点で物事を見る重要さを再確認できました。とても有意義な学会でした。

この後は産総研の光田先生らとロシアへ直行し、タタールスタン共和国にあるロシア科学アカデミーのGorshkova研究室を訪問しました。

ペクチン生合成に関する共同研究の話し合いを行い、お互いの仕事の役割の確認を行いました。

これで研究が加速できそうです。

また、Tatyana, Natasha, Polinaたちにクレムリン等の世界遺産を案内してもらったり、とても美味しいロシア料理や文化を紹介してもらったりと、普段できない経験をさせていただきました。

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本当に感謝ですСПАСИБО!

盛りだくさんの出張となりましたが、非常に多くの情報を得ることができました。

竹中

OBOG訪問

先ほど、石水研1期生の上原さんが研究室を訪ねてきてくれました。生物工学科2回生のキャリアガイダンスを担当してくれて、とてもありがたかったです。一流企業の研究職を続けていて、立派になっていて、とても誇らしい感じです。石水研後輩学生ともいつも気さくに話してくれて、これまたありがたいことです。2019年度に入ってから、誉登、木下、早川のOBOGも研究室に立ち寄ってくれてます。別のOBから結婚の報告もあったりしました。卒業後も近況がわかるのは、大学の教員をしていてよかったなあ、と思える瞬間です。OBOGが研究室を訪ねてくれたり、ちょっとしたことでも連絡くれたりすることは本当うれしいことなので、気軽に訪ねたり、連絡したりしてください!石水より

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