【研究成果】植物細胞壁ペクチン生合成酵素ラムノース転移酵素の活性を世界初検出
植物細胞壁ペクチンは複雑な構造をしていて50種類程度の酵素がその生合成に必要と考えられています。そのほとんどの酵素の遺伝子が同定されていないばかりか、酵素が実際にあるかどうかも不明なのが現状です。石水研ではそれを打破する研究を展開しています。ペクチンのラムノガラクツロナンI領域を合成するラムノース転移酵素の活性を検出しました。酵素には基質が必要ですが、ラムノース転移酵素の基質になるペクチンオリゴ糖、UDP-ラムノースを丹念に調製して、この酵素の活性を検出することに成功しました。この研究は2005年に始めたものです。途中、担当学生をつけられない時期が長くありましたが、10年以上の月日を費やしました。ペクチンオリゴ糖の調製の礎を作った牧さん(2013年修了)、その方法を大幅に改良した田村さん(2016年修了)、酵素のキャラクタライズを一気に行った上原さん(2016年修了)の3人の修士論文を合わせた論文で、この3人がCo-first authorsになっています。
世界初検出された酵素であるため、酵素の登録番号であるEC番号が新規発行されます。2018年3月に番号が発行される予定です。
立命館の溝口先生、民秋先生、京大の今井先生、阪大の大橋先生、藤山先生との共同研究で、多くの方々の協力の下、長年の懸案であった研究成果を発表することができました。ありがとうございました。この酵素の遺伝子同定の研究を進めています。