立命館大学 石水毅研究室

石水研通信

【研究成果】植物細胞壁ペクチン生合成酵素ラムノース転移酵素の活性を世界初検出

Uehara, Y., Tamura, S., Maki, Y., Yagyu, K., Mizoguchi, T., Tamiaki, H., Imai, T., Ishii, T., Ohashi, T., Fujiyama, K., Ishimizu, T. Biochemical characterization of rhamnosyltransferase involved in biosynthesis of pectic rhamnogalacturonan I in plant cell wall. Biochem. Biophys. Res. Commun. 486, 130-136 (2017)

 植物細胞壁ペクチンは複雑な構造をしていて50種類程度の酵素がその生合成に必要と考えられています。そのほとんどの酵素の遺伝子が同定されていないばかりか、酵素が実際にあるかどうかも不明なのが現状です。石水研ではそれを打破する研究を展開しています。ペクチンのラムノガラクツロナンI領域を合成するラムノース転移酵素の活性を検出しました。酵素には基質が必要ですが、ラムノース転移酵素の基質になるペクチンオリゴ糖、UDP-ラムノースを丹念に調製して、この酵素の活性を検出することに成功しました。この研究は2005年に始めたものです。途中、担当学生をつけられない時期が長くありましたが、10年以上の月日を費やしました。ペクチンオリゴ糖の調製の礎を作った牧さん(2013年修了)、その方法を大幅に改良した田村さん(2016年修了)、酵素のキャラクタライズを一気に行った上原さん(2016年修了)の3人の修士論文を合わせた論文で、この3人がCo-first authorsになっています。

 世界初検出された酵素であるため、酵素の登録番号であるEC番号が新規発行されます。2018年3月に番号が発行される予定です。

 立命館の溝口先生、民秋先生、京大の今井先生、阪大の大橋先生、藤山先生との共同研究で、多くの方々の協力の下、長年の懸案であった研究成果を発表することができました。ありがとうございました。この酵素の遺伝子同定の研究を進めています。

20171231220255.JPG