立命館大学 石水毅研究室

石水研通信

【研究成果】ゴルジ体に局在するポリガラクツロナーゼを発見

Ohashi, T., Jinno, J., Inoue, Y., Ito, S., Fujiyama, K., Ishimizu, T. A polygalacturonase localized in the Golgi apparatus in Pisum sativum. J. Biochem. 162, 193-201 (2017)

 植物は細胞壁にペクチンがあります。そのペクチンの分解は、果実成熟や落葉や本当に様々な生理現象に関わっています。そのため、シロイヌナズナではゲノムにペクチン分解酵素であるポリガラクツロナーゼを69遺伝子持っています。そのうち、機能が明確になっているものはまだ少ない現状があります。生化学的な解析は比較的多く行われていますが、これまでに解析されたポリガラクツロナーゼはすべて可溶性のもので、液胞や細胞質に局在しているものでした。今回、世界初でゴルジ体に発現するポリガラクツロナーゼを発見しました。

 この研究は2002年に伊藤さん(2005年修了)が始めた研究で、神野さん(2008年修了)がかなりのデータを揃えました。途中、担当学生をつけられない時期が長くありましたが、井上さん(2016年修了)のがんばりがあり、論文としてまとまりました。3人の修士論文の成果が詰まってます。その間、阪大の大橋さんが終始この研究に携わり、完成させました。(一つの論文を仕上げるのはほんとたいへんです。)

 ゴルジ体はペクチンを合成する場所であることが知られています。なのに分解酵素があるなんて、とても意外な発見です。どういうことなんでしょうか。不思議です。どんな役割をしているかの研究を進めています。

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