立命館大学 石水毅研究室

石水研通信

澤進一郎先生セミナー

 4月23日に熊本大学の澤進一郎先生にセミナーを担当していただきました。澤先生とは何かと接点があり、今回の関西出張の折に、立命館に寄っていただきました。

 花や芽の分化を制御する植物ホルモンCLEペプチドを発見されたことで有名な先生ですが、CLEペプチドが関連するかもということで、植物と線虫の相互作用を研究されています。連作障害の一つの原因の植物の線虫感染の防御方法の開発に結びつくだけでなく、多細胞生物同士のコミュニケーションを解き明かす基礎研究ともなる大事な研究です。

 さまざまな植物種を試す中で、種子ムシレージに線虫誘引活性があることを見出し、さらにその中の誘引物質を同定するところまで至っておられました。ポリアミンや多糖(オリゴ糖)がその誘引物質だとか。その多糖もグルコマンナンやペクチンラムノガラクツロナンIという我々の馴染みあるものであるとか。こういう研究は厄介な構造未知な糖鎖の構造研究が含まれていますが、そういう実験も進められ、成果を出し続けられています。これらの誘引物質のレセプター探しなどの未知な課題が控え、作物生産への応用まで広がりのある楽しみな分野です。

 一般の人も興味を持てる研究課題の提示から個別実験に至るまでのわかりやすい説明は、勉強になるところでした。こういう成果を地道に残されてきているのは、澤さんの頭の良さと人柄に寄るところが大きいとも思いました。本質を見逃さないところ、うまく人付き合いができて共同研究をスムースに進めれる力量が突出してると思いました。諸々な相談もできたのも収穫でした。澤先生、ありがとうございました!

 諸々の相談のことで頭が占められていて、写真を撮るのを忘れてしまいました......。(石水しるす)

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